番外編「米国で個人投資を始めるヒント~株式&CD~」

番外編「米国で個人投資を始めるヒント~株式&CD~」

米国公認会計士のベテラン駐在員がアメリカのポイ活の基本を解説します

更新日: 2024年09月11日

前回までは、米国でのクレジットカードでお得にポイントをもらう方法を書いてきましたが、今回は番外編で、米国での個人投資を始めるヒントについて書いてみます。最近、iDecoや新NISAといった政府の税制優遇を通じて日本人が急激に投資に参加していることがニュースになっている中、アメリカ在住の日本人として、投資を簡単に始めるにはどのようなものがあるか、というものです。

物価も高く旅行や教育などの出費がかさむ米国生活で、なかなか投資に回すような余裕資金をドルで持つのは難しいのは確かです。消費大国でもあり投資大国でもあるアメリカ、旅行や飲み会のお金の一部を投資に回し、消費だけでなく投資家としての視点で米国市場に少額でも参加してみると、アメリカとまた違った角度で関わっている気持ちになると思います。世界の金融の中心地のアメリカに住んでいながら、投資行動をもたないのもったいないですし、アメリカ人との会話の材料としても金額の大小関係なく個人的には有意義と感じています。とはいえ、投資ですので、儲かる場合もあれば損する場合もあるリスクを伴うものですので、投資自体はあくまで自己判断、ここではアメリカ在住でいつかは日本に帰る方の米国での投資の参加の仕方の第一歩を紹介します。

個人が行う投資として代表的なものに、株式、債券、不動産などありますが、ここでは比較的簡単に始めやすい株式とCD (Certificate of Deposit。債券に比較的考え方が近い)についてご紹介します。

Robinhoodなどアプリで気軽に始められる証券サービスもありますが、帰国後もインターナショナルアカウントとして日本にいながら口座を継続できるCharles Schwab証券をベースに紹介します。(他にも証券会社ありますが、ここでは私自身が使用しているCharles Schwabを紹介します)

Charles Schwabの場合、個人の取引口座として、年会費等がかからないBrokerage Accountを開きましょう。ウェブ上で開設手続きが完結します。インターナショナルアカウントには帰国が決まってから変更すればよいので、普通にBrokerage Accountを開設すればよいです。

日本にいたときは、投資にも無縁で預貯金だけ、という方もいらっしゃる方もしれません。先日も日本やアメリカで株価の乱高下がありましたし、投資に伴うリスクというのは確かに怖いものです。ですので、まずは定期預金の感覚に近いCDの紹介をします。日本では、長年のデフレに伴うゼロ金利の時代から「金利のある世界」に戻ると言われていますが、そうはいっても金利1パーセントをうかがうレベルなのに対し、アメリカは物価の上昇がようやく落ち着きFRBが金利を下げる準備をしている今でも短期でやっと5%を切ったような所。コロナ後すぐに「金利のある世界」に戻っているアメリカでは、普通預金に預けていても日本ではほとんどなきに等しかった「利息」がそれなりに目についている方もいらっしゃるのではないのでしょうか。そのように、使用している銀行やカードでもSaving Account等で定期預金のような感覚で利息を得ることももちろん可能ですが、ここでは、証券会社の口座を通すと、もう少し選択肢が広がり、一般的に金利がSaving Accountより高いものを選べるのでそちらを紹介します

こちらは実際のCharles Schwabの画面ですが、CDとあるのがCertificates of Depositの略で、横軸にある期間の間、売却せずに満期まで所有するともらえる年率換算の金利が記載されています。$1,000ドル単位での購入なので、そこまで「少額」とは言えないかもしれませんが、元本割れが心配ながらも、ある期間手を付ける予定のないドルを持ってる方には有用なのかと思います。それぞれをクリックするとさらに金融機関毎のCDが選べるようになっています。$250,000までFDICという仕組みで元本が保証されているものが載っています。ちなみにCDの下にあるのはUS Treasuriesというのは米国債のことです。

一方、株式の方は元本割れの可能性をはらむリスク商品ですので、このコラムではどの銘柄がどう、というのではなく、日本で新NISAをきっかけに利用者が増えた定額積立の投資信託にあたる取引ができることだけ紹介します。さすがに日本での新NISAのような税金の優遇はされませんが、毎月定額($100から)で米国のインデックスに手数料を気にすることなく投資をできる、という点では同じことができるので、検討してみてはいかがでしょうか。Charles Schwabのアカウントからは、Automatic Investingという項目でSchwab指定のインデックスの投資信託に自動積立の設定ができます。

証券取引は確定申告の対象となりますが、Charles Schwabですと例年2月の上旬に様式1099という書類が自動で発行されるので、それを確定申告時に提出することになります。
仕事、遊び、学びに忙しい米国生活の中で、以上のように気軽かつあまりストレスなく投資を始められる方法を紹介しました。繰り返しになりますが取引自体は慎重に自己のご判断で行ってくださいね。

ケニー
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