第80回「夏の野菜で手軽にキンパッ!!」

第80回「夏の野菜で手軽にキンパッ!!」

アメリカでの健康な食生活を応援するおすすめレシピをご紹介します。

更新日: 2024年09月08日

アメリカで新生活が始まると日本のスーパーで気軽に、かつ、安価だった食材が急に手に入らなくなり、得意料理のレシピがガラっと変わってしまった、という方も多いかと思います。

海外という慣れない環境で、食材も変わり、家族や自分自身にとって美味しくて健康的で、簡単に作れる料理はなかなか見つけるのが難しいですよね。さらに、日本ではあまり馴染みのないみんなで持ち寄りながらのパーティー「ポットラック」に招待された時のメニューは”日本食が良いのか”、”冷めても美味しいか”、”食べやすいか”など頭を悩ませます。

『みんなのレシピ』では、アメリカ在住暦33年のお料理研究家が日本でもお馴染みの料理から日本ではあまり目にしない食材を使ったレシピまで、誰でも簡単に作れて、健康で、美味しいお料理レシピを紹介していきます。

第80回「夏の野菜で手軽にキンパッ!!」

夏休みを利用して、それぞれにリフレッシュされ、お子様達は元気いっぱい進学年を迎えられたことと思います。今回は、手軽に食べられて栄養満点のキンパを作りたいと思います。テニス仲間によく頼まれて巻き寿司を作りますが、韓国の巻すしには興味がなかったせいか、気にも止めていませんでした。所がテニス仲間の白人の高齢の方達の間で、トレジョーのキンパッが安くて美味しい話で盛り上がっていたので、大変驚いてしまいました。取り敢えず試食してみましたが、まあまあ食べれる位のレベルでした。というわけで、今回はそのキンパと日本の巻すしとの違いにも触れながら、美味しいキンパをご紹介したいと思います。

今回号のレシピに使うおすすめ食材リスト

牛肉(tri-tip)
トライチップとは、もも肉の希少部位で霜降りも多く、柔らかな肉質と旨味もあります。そのトライチップの部位を使って薄く切り、焼肉を作ります。肉は冷凍のものを1時間程度放置し、少し溶けた冷凍の肉を切ると薄く切れます。今回は、Coscoにて大きな2つの塊を約40ドルで購入しました。残りは、1回に使う肉の大きさに切り、ラップでキッチリと巻いて、ジップロックに入れて冷凍しました。

オーガニック彩り人参パック
お馴染みのカロチンが豊富に含まれる人参は、免疫力を高め、皮膚や粘膜を強くし、成人病にも効果があるとされています。カリウム、カルシウム等豊富なのも嬉しいですね。トレーダージョーズにて、オレンジ、黄色、白、紫の人参がパックになって約2ドルで売られています。パックの中身はそれぞれなので、いつも濃い黄色の人参が多く入ったものを購入しています。黄色は、サラダ、煮物、漬物等に入れると、彩りがよくなり、見た目の美味しさがアップします。人参には、アスコルビナーゼというビタミンC破壊酵素が含まれていますが、火を通したり、レモンや酢で働きを抑えることが出来ます。

巻きす
30年前は、手軽に巻きすを買うことは出来ませんでしたが、現在では、アジアンマーケットなら手軽な値段で購入出来るようになりました。巻きすしを作る時には、手で巻くより適度な力を加えられるため、巻すしが固定されて、きれいな形に作る事が出来ます。

野菜スライサー
キャベツ、玉ねぎや人参を薄くスライス出来ます。包丁でスライスするよりも食感がとてもよいです。キャベツは、サラダ、メインの付け合わせに。玉ねぎは、サラダ等に。人参や大根は、スライスした後、包丁で千切りにします。見た目にもきれいに出来るのが嬉しいですね。

キンパ

日本の巻すしと似ていますが、ご飯を酢飯にせず、塩とごま油で味付けするのが特徴です。色とりどりの野菜を下ごしらえし、水分が出にくいように仕上げてみました。美味しいだけでなく、この1本でバランスのよい食事になるよう工夫してみました。

【食材と目安の量(2〜4人分)】印はおすすめ食材リストを参照

A
ご飯・・・2合分(米+きび大2)水は通常通り
塩・・・小½
ごま油・・・小2


B
牛肉(Tri-tip)・・・300g(少し解凍状態になってから薄く切る)
赤ワイン・・・大2 グリーンオニオン・・・薄く斜め切り
焼肉のたれ・・・大4
片栗粉・・・大!/2
キューリ・・・1本(5ミリの程度に棒状に切る)

C
ほうれん草・・・1把(サッと茹でて水で洗って4cmの長さに切ってきつく絞っておく)
ごま油・・・適宜
塩・・・適宜

D
人参・・・中1本、(スライサーでスライスし、千切り)
黄人参・・・中1本(スライサーでスライスし、千切り)
ごま油・・・適宜(赤、黄各々)
塩・・・適宜  (赤、黄各々)

E
だし巻き卵・・・第78回「簡単にふわふわだし巻き卵」参照。

青しそ・・・適宜
リーフレタス・・・適宜 
いりごま(白)・・・適宜(ふりかけ用)
海苔・・・3〜4枚
ごま油・・・適宜(海苔に塗り用)

お料理の手順

  1. ご飯が炊き上がったら、熱いうちにAの調味料を混ぜ合わせて冷ます。
  2. 牛肉に赤ワインを揉み込み、5分程度置いてから水分を捨て、Bの調味料を入れてよくもみ込む。
  3. フライパンを熱く熱し、オイルを回してから2を焼く。もし、水分が出たら、最後にティッシュで拭き取っておく。
  4. ほうれん草は、平たいフライパンに水を入れ沸騰させ、入れてサッと茹で、水にさらしてからキッチリと水を絞り、4cmの長さに切り、フライパンでCの調味料と共に軽く炒る。
  5. スライサー、ナイフを使った千切りの人参は、各々フライパンにごま油を入れてしんなりするまで炒めて(甘味が出るので)塩で味付けする。
  6. だし巻き卵は、第78回「簡単にふわふわだし巻き卵」参照。
  7. 巻きすに海苔を置き、奥の1.5cm程度残して、薄くご飯を伸ばす。ご飯にごま油が入っているので、しゃもじで伸ばしやすい)軽くいりごまをふりかけ、青しそ、またはリーフレタスを手前に広げる。その上に写真の要領で順にのせる。
  8. 手前の巻きすを、具を指で抑えながらグルッとまわして、上から丸くギュッと何度か押して、次に左手でその部分を抑えながら、右手で奥の巻きすの部分を引っ張りながら、形を整える。キッチリと巻けていたら、手で巻き終わりが下になるように巻き、最後に巻きすをかぶせて同様に形を整える。最後にはけでごま油を塗り出来上がり。

【レシピのポイント】
日本の巻きすしは酢飯ですが、韓国の巻きすしキンパは、酢飯ではなく塩、ごま油で味付けしたものです。酢飯と違ってごま油がご飯に混ぜてあるので、しゃもじで簡単に薄く伸ばすことが出来ます。そのごはんの上にたっぷりの具を載せましょう。キンパ1本でバランスのよい食事になります。その他、冷蔵庫に残っている佃煮やちりめんじゃこ等、色々試してみるのも楽しそうですね。お肉が苦手な方は、ツナ缶でも美味しくいただくことが出来ます。ツナをキッチリと絞ってからフライパンで空焼きし、焼肉のタレを適宜入れて炒めれば出来上がりです。海苔の上に載せるご飯はしゃもじで伸ばすので、使いやすいノンスティックの厚みのない薄いしゃもじがお勧めです。

【料理を食べた方の感想】
・ご飯が少なくて具が多いのが嬉しいです。
・彩りもよく、ポットラックパーティーにも映えそうなので、ぜひ、作ってみたいです。  

今回のまとめ

夏の野菜で気軽にキンパッ、いかがでしたか? 日本の巻きすしのすし酢はいつも手作りをしていますが、砂糖と塩がかなり入ります。砂糖、塩を控えている方は、キンパのほうがヘルシーかも知れませんね。ついつい孫が好きなものを作ってしまいますが、このキンパも大好きなので、時々リクエストが入ります。なるべく野菜を沢山入れて、バランスのよい食事になるように心がけています。

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